CORSA STILE コルサ・スティーレ
- レーシングスーツの変遷
- レーシングスーツのルーツは古くはプロペラ機時代の戦闘機乗りのパイロットスーツに遡ります。当時は当然NOMEX等の熱や炎に強い繊維は無く、日本ではイギリス式の綾織りの綿製ツナギの飛行服が長く使われました。炎からの延焼を防ぐほかはレーシングスーツとは真逆の防寒着でもありました。
自動車レースに於いても黎明期は綿製のスーツが使用されていましたが、デュポン社よりNOMEXが実用化されると安全基準を満たすNOMEXの使用がレギュレーション化されました。今日まで基本の骨格デザインは変わらず作り続けられているレーシングスーツですが、近年は各メーカー共最新のノーメックス素材を使用し縫製にも工夫を凝らし着心地の良さを追求しています。
レーシングスーツに求められる性能は耐火性能の他は「軽さ」と「涼しさ」そして着る人が満足できる「デザイン性」でしょう。 - 現在と未来
- 現在ではスーツのスリム化が流行っています。当社でもスリムスーツ化へのサイズ変更依頼はとても多くなっています。発端はF1ドライバーのスーツにあります。F1でのスリム化は一つにスーツの軽量化を目的としています。極狭のコクピットではダブついたスーツは運動の邪魔となりスリム化が加速します。今日の素材は炎をブロックして空気は通すノーメックスも存在しますが、ツーリングカーの場合では体温上昇には不利な面も多くなります。
また最近ではスーツに刺繍を使わず熱圧着のプリントが流行っています。プリント式には大きく分けて二種類のものがあります。一つが接着剤付きのシールを圧着するもの、そしてもう一つが特殊な顔料を使用しインクジェットプリントを施すものです。
それぞれに利点が有りデザインの幅も広がりそうです。これからは化石燃料以外の車のレースも益々盛んになり新しいカテゴリーのレースや新レギュレーションによるレースも登場することでしょう。レース界はまさにワクワクする次のステージに足を踏み入れたのではないでしょうか?今後もレースからは益々目が離せそうにありません。 - 自分スーツの提案
- 現在、レーシングスーツの購入には二つの選択肢があります。一つはフルオーダーで仕立ててもらう。そしてもう一つが気に入ったメーカーの既製品の中から自分に合ったサイズのものを選ぶ。多くの場合既製服の中から選びますが、すべての部分がフィットする事は稀で妥協するしか有りませんでした。
しかし多くの人にとっては一着を長く愛用する物で、どこか着心地の悪さを感じながらのドライビングはストレスにもなります。またフィットしたレーシングスーツはドライバーの立ち姿も格段に引き立ちます。コルサ・スティーレでは「着心地の良いフィットしたスーツはタイムを上げるパーツの一つ」と考えています。その信念の下サイズ直しをしております。 - レーシングスーツ・サイズ直しのコツ
- サイズ直しをすることで既成品もセミオーダー品に成りますが、複雑なスーツの直しには手間と費用がそれなりに掛かります。現在の公認スーツは性能的にそれ程の差異は無いためデザインが気に入ればワングレード下げて購入と同時にサイズ直しされる事をお勧めします。スーツを選ぶポイントは当然長さ方向ではなくご自分の一番太い部分が入るものを選びます。また既製品でも工業製品と違い柔らかな布製品なため同品番でも2センチ程度の誤差も有ります。できるだけ試着購入をお勧めします。
またサイズ直しを決めた段階で気になる部位全てを直したいと思う事もありますが、採寸に慣れていない場合、往々にして「詰めすぎ・失敗」になりがちです。採寸時に出した数値が実際の着用時には「体にはきつく感じる」ものです。
直し箇所をまとめても割安にはなりません。一番気になる箇所、二三ケ所の直しをオーダーし、使用して様子を見て、さらに気になる箇所を再オーダーすることをお勧めします。特に女性ドライバーにこの方法はお勧めです。
女性でも基本的に男性用スーツから選ぶケースが多く、海外メーカー品では丈方向の直し幅が大きくウエスト幅や位置のフィットは難しい箇所です。基本的にサイス直しは「詰めることは出来ても、幅を出す事は出来ない」事をお忘れなく。